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先日朝、妹に言われたのです。

「あんた、ゆうべ寝言で歌ってたで」
「え、ほんま?」
「うん。歌詞はなくてメロディだけやったけど、『ラ・マルセイエーズ』歌おうとしてたみたいやったで」
「何故ーッ!?」


な、何ということだ・・・私の脳はいつの間にフランス領に!? そんな素敵な!(え)
曲で一番好きなドイツでも歌いやすいイギリスでもなく、ネタにしたこともあるイタリアでもないなんて。
そりゃ好きですよ『ラ・マルセイエーズ』。かっこいいですよ。でもでもっ、寝言で歌ってたって・・・!!

つうか一体どんな夢見てたらそんな歌を・・・自分が分からない・・・・!!(笑)


以下、以前なにやらほざいていた恋愛もの(?)。
これでいいんですか? 書いてから言うのもなんですが、分かりません。しかも王道カップル。
あ、でもね、ネタにした歌は本当に素敵なんですよ。




  『ただ一度だけ』

「夢を見てるんじゃないか、って、思ったことはありませんか?」
 それこそ幸せな夢を見ているような顔で微笑んで、ハンガリーは言った。
「夢、ですか?」
「ええ」
「……いいえ。私は現実の方が好きですからね」
「ふふ、そうですか。そうですね。……私は、何度も思いました。今でもそうかもしれません」
「……ほう。そうですか」
 彼女はうっとりと目を細めて大広間を見やった。
 世界中の国々でにぎわうそこは、現在舞踏会の真っ最中だ。楽しげに語り合う者もいれば何やら険悪ににらみ合う者たちもいるが、確かに漂う華麗な空気は過酷な国際社会の現実を覆い隠し、一時の夢の世界を創り上げていると言えなくはない。
「自分がこんな場所にいるなんて、私、未だに信じられなくなることがあるんですよ。昔は馬に乗って草原を駆け回っていたのに、……定住してからはあちこちからつつかれて、ずっと下っ端だったのに、それがこんなドレスなんか着てこんなきれいな場所にいるなんて」
「似合っていますよ。とても」
「あら、ありがとうございます。……でも、思うんですよ。昔の映画みたいだって」
「映画?」
「ええ。今のこの場所にはぴったりかもしれませんね、あの題名。そう───19世紀のはじめのウィーンの町で、ひとりの男とひとりの女が恋に落ちるの」
 それはとてもありふれた物語だ。男は外国から仕事でやってきた高貴な身で、いずれは国に帰らなければならない。女はごく普通の町娘。決して結ばれるはずがないと承知の上で、ふたりは束の間の恋をする。
 恋の喜びに舞い上がりながら、女は歌う。

 私は夢を見ているのかしら。おとぎ話が本当になるなんて。
 ───これはただ一度だけ、二度と訪れない、明日には消えている夢かもしれない、人生にこんなことは二度と起こらない───
 ……いつかはお別れをするときが来る。そのとき空はもう晴れてはいない───こんなことは二度と起こらない。………

 ───物語の中で、男はじきにウィーンを離れなければならなくなる。
「今でも、そうなるんじゃないかって、思ってしまうんですよ」
 そう言って彼女は微笑んだ。
「───きっと、彼らは思っていたのでしょうね。会議なんか永遠に踊り続けていればいい、って」
 政治よりも外交よりも権力よりも栄光よりも、そんなありふれたただの幸福を望む想いを、きっと自分は理解できる。
 オーストリアは彼女を見つめ、そしてゆっくりと頷いた。
「───なるほど。実に結構ですね」
「えっ!?」
 振り向いた彼女に、彼はさらに頷く。
「ただ一度だけ。いいではありませんか。そんなことは人生に二度も三度もなくていい。あの歌は、きっとそういう意味でしょう」
「…………」
「ただ一度だけ。ならばその一度を永遠にすればいいのです。違いますか? 映画と違って、会議が終わっても私たちの物語は終わりません。───それに」
 彼は彼女の手を取る。
「これは夢ではなく、現実です。そうでしょう?」
 彼女は微笑む。夢ではなく、幸せな現実を見つめて。
「───ええ」
 それまで演奏されていた曲が終わり、新たに華麗なウィンナ・ワルツが流れだした。楽しそうなざわめきとともに、あちこちで女性を誘う男の声がする。
 彼は彼女の手の甲に口づけを落とす。
「踊っていただけますか?」
「ええ。喜んで」
「光栄です」
 音楽がふたりを包み込む。ただ一度の永遠を抱き締めるように、男と女はそっと手を取り合い、そして踊りだした。




 『ただ一度だけ』は。1931年のドイツ映画『会議は踊る』の主題歌です。とても素敵な曲なので、是非とも聴いてみてくださいな。
 タイトル通りナポレオン戦争後のウィーン会議の時代、ウィーンを訪れたロシア皇帝アレクサンデル一世とウィーンの町娘クリステルの、束の間の恋の物語……なのですが、すみません。
 懺悔します。私この映画見てません。(爆) こ、今度TU○AY○で捜してみようと思ってたんです!(最悪や)

 ……で、「真っ当なラブに挑戦する」とか宣言してこれ書き出した気がするんですが、いいのか、これで……?
 あと、オーストリアさんはこんな臆面もない台詞吐くキャラとはちょっと違いますよね。彼はもう少し照れると思います。

 ……………すみません。本当に。
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